MENU
不登校支援センター 公式サイトはこちら

中学生の壁『高校受験』〜自分事として捉えることで、不登校を克服するきっかけとなる可能性とは〜

こんにちは。不登校支援センターです。

今回は、中学生のお子さんを持つ
ご家族に向けた4回目の記事ですね。

前回は思春期の特徴を踏まえた、
第三者からのアプローチの大切さについて
お話いたしました。

さて、今回は中学生が経験する『高校受験』について
取り上げようと思います。

このお悩み解決メソッドを
お読みいただいているご家庭の中には、
お子さんが小学生の際に中学受験をし、
現在は中高一貫校に在籍しているという方も
いらっしゃるかと思います。

そんな方は、
お子さんが中学受験をしていた時の様子を
思い浮かべながら、少しお付き合いくださいね。

文部科学省の統計では、
日本の高等学校等への進学率は
昭和49年に90%を超え、
現在通信制高校等を含めると
98%以上の子供が中学卒業後、
進学をしています。

この社会の流れは、
子どもたちに『中学を卒業したら高校に行くもの』
という感覚として根付いているようです。

カウンセリングの中でも、
中学生のお子さんと話をしていると
「高校は行くでしょ、行かないでどうするの」と、
中学を卒業したら高校へ、という進学の流れが
当たり前かのような言葉をよく耳にします。

ということは、つまり中学三年間の間に
『高校受験』というイベントがあるということです。

このイベントは、中学生の不登校を考えるうえで、
とても大きなものです。

こちらは過去にご相談のあった、
ある女の子のお話です。
Aさんは公立中学校に通う女の子でした。
とても勘が鋭く、要領のいい子で、
小学生の時に勉強で困ったことはありませんでした。
また先生からもお友達からも信頼があり、
クラス委員やクラブ活動の長を務めることが
多かったそうです。

中学1年生の時は学級委員を務め、
2年生になっても新しいクラスで委員長をやるものだと、
Aさん自身当たり前のように想像していたそうです。
しかし、いざ2年生になると
自分よりもすべての面において
「よくできる」子が現れました。

そして、クラスの多数決でAさんは選ばれず
委員長になることができなかったのです。

その日から、
徐々に学校と距離ができていったAさんは、
中学校2年生の夏休み明けから
完全に学校に行かなくなったそうです。

カウンセラーとAさんがはじめて会ったのは、
中学2年生の秋口でした。
学校に行かなくなってから長い時間がたったこともあり、
・今学校に行ったら、みんなはどんな反応をするだろう
・今さら学校に行っても、勉強について行けない
・部活も休んでいて、迷惑をかけてしまっているし…

と沢山の悩みがあったAさん。
カウンセリングの中で、
このような悩みを一つずつ、
色々な方向から考えていきました。

・今学校に行っても、みんな自分のことで精いっぱいで、
私の事なんて大して気にしないかも
・今学校に行かないでわからないことが増えるより、
少しずつでも学校に行って勉強した方が良さそう
・確かに部活を休んで、
メンバーには迷惑をかけているけど、
このままで居続けるよりは
今顔を出しておいたほうが迷惑じゃないんだ

このように、多角的に問題をとらえ、
柔軟に考えていたAさんにとって、
復学の大きなきっかけは『高校受験』でした。

Aさんも「中学卒業したら、高校行くでしょ」と
高校進学を当たり前と捉えていた子の一人でした。

このAさんが考える『当たり前』を実現するためには、
中学生としての勉強や内申が大切になってくることは、
Aさんが直面した壁でした。

つまり、実現したい未来を手に入れるためには、
今のままではいられないということに気付いたのです。

そこから、少しずつクラスに近づき、勉強をし、
クラス委員に選ばれなくても「ま、いっか」と
受け流せるようになったAさん。

勉強と距離が空いていた分、
最初は忘れてしまった知識の量に愕然としたり
「こんなことなら、学校行っておけばよかったー」と
もがきながら、無事受験勉強を終え第一志望の高校に
合格しました。

高校受験というイベントは、
子どもたちが不登校を『自分事』として捉え、
自分のために(自分の将来のために)
どのような行動が必要になるのかを
考えるきっかけになるようです。

これは、中高一貫校のお子さんにも言えることで、
中学から高校に進学する際に
一定の出席率を維持しなくてはいけない、
テストを何回受けなくてはいけないなど
学校としての決まりがある所もあるでしょう。
この、自分の将来を選ぶために
乗り越えなくてはいけない壁を、
自分事としてとらえるためには

・自分がこれから先、どんな風になりたいか
・どんな将来が望ましく、
逆に「こんな将来は嫌」というものがあるか
・望ましい将来のために、今自分にできることは何だろう?

など多くのことを、考えていく過程が必要となります。

この過程は、先の記事でお話したように、
多感な中学生にとって親御さんと
腹を割って正面から話すには、少し気恥しい内容です。

そんな時
「親でもない、友達でもない、でも学校の先生のように
自分を絶対的に評価する人でもない大人」
が子どもたちの心と考えの整理のお手伝いをするのです。

もし
「うちの子、将来の事や受験の事でなやんでいそう」
「これから悩みそうだけど、
周りに子供が信頼できる第三者はいないかも」
と感じられた際は、お気軽に私たちにお声がけくださいね。

私たちも皆さんと、そしてお子さんと、
将来を考えていきます。

さて、
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

次回のお悩み解決メソッドでは、
当支援センターの「カウンセリング」は、
実際にどのようなことをしているのか?
ということについて
具体的なかかわりも取り上げながらお話していきますね。

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次