こんにちは。不登校支援センターです。
今回は
中学生のお子さんを持つ
ご家族に向けた5回目のお話となります。
前回の記事では
以下のことをお伝えしましたね。
中学生の不登校については、
親御さんが一生懸命かかわろうとしても、
思春期の特徴から、
親御さんからのお子さんへの
かかわりがとても難しく、
第三者からのかかわりも大切である。
では、第三者からのかかわりは
どのように行われるかについて、
カウンセラーが第三者としてかかわる場合の支援を
具体的にお伝えしていきます。
実際に、お子さんがセンターに来て、
面談を進めていく流れとしては、
大きく3つのステップがあります。
【1】ラポール(信頼関係づくり)
【2】カウンセリング(抱える悩みの相互理解)
【3】コーチング(目標を達成するためのサポート)
【1】が終わったら【2】に、
【2】が終わったら【3】に、
というようにはっきりと分かれるわけではなく、
この3つはずっと並行して行っていくものですが、
どこに特に力を入れて取り組んでいくかというと、
【1】【2】【3】という順番で進めていきます。
私たち自身、自分が信頼できる人には
相談したいと思いますし、
自分の悩みをわかってくれる人の
言う言葉には耳を傾けたいですよね。
その自然な流れを
カウンセリングのプロセスとして表すと、
先ほどの3つのステップとなるのですね。
そして、この3つの中でも
一番大切なのは、
【1】ラポール(信頼関係づくり)
になります。
これができないことには
人は悩みを話したいとは思えません。
しかし…
互いに信頼しあえている関係が
築くことができると、
それは問題を解決するための
大きなパワーの源となります。
では、実際にどのようなかかわりを
ラポールの段階でしているかというと、
それは子どもが興味、関心を持っていることを
一緒に体験し、気持ちを共有することから始まります。
具体的にお伝えすると…
当支援センターのカウンセリングルームに
入っていただくとわかるのですが、
カウンセリングルームには、
子どもたちの間で流行っている
ゲームが置いてあったり
アイドルやアニメのイラストなど
が飾られたりしています。
こういったツールを使って一緒に遊んだり、
あるいはおしゃべりをしたりして、
お子さんと打ち解けていきます。
「え、遊ぶことから始まるの・・・?」
そう思われた方も
中にはいらっしゃるのではないでしょうか?
お子さんの不登校を
早く何とかしたい!という思いからすれば、
自然なことだと思います。
もちろん、最初にお子さんが来たときに、
お子さんが自分の悩みについて相談したいと
思っているのであればカウンセラーも
もちろんその話を聴いていきます。
しかし…
カウンセリングに初めて来る子の中には、
「学校に行けるようになりたい!」
と思って相談に来るよりも、
「学校に行きたくない」
という思いや、
「何を聞かれるのだろう(聞かれたくない)」
と不安を持ち、緊張しながら来る子も
とても多いのです。
「自分の悩みを解決するためにがんばろう」
という気持ちにはまだなれない状態の子も多いため、
悩みや問題と一緒に向き合うための準備として、
信頼関係づくりの時間はとてもとても大切になります。
次回のお悩み解決メソッドにて
詳しくお伝えしますが、
人は自分の悩みを
必ずしも正確に言葉にできる
わけではありません。
子どもであれば
なおさらかもしれません。
そうした言葉にできない心の変化を
感じ取るためにも、
面談の中で遊びなども含めて
リラックスできる時間を
過ごすことも必要なのですね。
そして、お子さん一人ひとりに
色んな個性がありますので、
どんな風にかかわったら
お子さんと信頼関係を築けるのか、
カウンセラーは親御さんからもお話を伺い、
一人ひとりのお子さんに合わせた
カウンセリング空間を作っていきます。
ここで一つ、信頼関係作りがとても大切だ!
と感じたお子さんのお話をしたいと思います。
このお子さんは
小学校6年生の男の子でした。
お子さん自身が中学受験を希望したため、
親御さんは小学校6年生から
塾にも通わせてあげました。
以前はボーイスカウトや水泳、
夏のキャンプなど、
活発に過ごす時間を
大切にしていましたが、
塾が忙しくなると、
次第にスポーツなど習い事は
やめざるを得ませんでした。
塾の予定が多くなるにつれ、
勉強の難しさや
ストレス発散ができない不満から、
お子さんは学校と
距離を取るようになっていきました。
初めてのカウンセリングでは、
前日からカウンセリングの不安で眠れず、
目の下にクマを作って来たお子さん。
カウンセラーと簡単な受け答えはするものの、
敬語を完璧に使いこなし、
他人行儀な雰囲気を醸し出していました。
学校の話はとてもできる状態ではない
と感じたカウンセラーは、
親御さんから事前に伺っていた
お子さんの趣味の話をしました。
趣味の話になると、
とたんに目を輝かせ、
前のめりになり会話を始めた彼。
それからのカウンセリングでは、
お互いの趣味の話をしつつ、
カウンセラーが敵ではないという事、
自分の考えや好みを否定しない人である
という事を感じてもらう時間となりました。
このような信頼関係作りを続けている内に、
お子さんがある日ふと
———-
友達には会いたいけど、
学校に行って
今から勉強についていけるか
心配なんだよね
———-
という一言を口にしました。
そこからは、
学校に対する不安や友達に対する想い、
自分の進路についてなど、
少しずつ会話をする時間が
長くなっていったのです。
このようにして、
お子さんと確かな信頼関係を
築いていきながら、
お子さんが自分の悩み、
抱える課題と向き合う、
心の準備をする段階が
カウンセリングにはあるのです。
その他にも、
当支援センターのブログで
様々な事例を公開しています。
よかったら、以下よりご覧ください。
https://www.futoukou119.or.jp/blog/tag/%E4%BA%8B%E4%BE%8B
最後までお読みいただき
ありがとうございました。
次回はカウンセリングの様子について
お話をしていきますね。