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お子さんの心が開く「伝え方」

こんにちは。不登校支援センターです。

今回は親御さんからお子さんへの
声掛けについて、お話をしていきます。

不登校支援センターにいらっしゃる親御さんから、
よくこのようなお話を伺います。

­­­­­­­­
子どもにどのように話しかけたらいいか
わからない…
­­­­­­­­
今声をかけたことが、子どもの登校意欲を
そいでしまうのではないかと躊躇う…
­­­­­­­­
(親が)伝える言葉を
マイナスの意味でとらえられてしまい、
会話にならない…
­­­­­­­­

といった感じで、自分の言葉を
どのようにお子さんに伝えればいいのか、
タイミングや言葉選びに
不登校支援センターにいらっしゃる
親御さんも、よく悩まれています。

どのようなお子さんにでも効果のある
「魔法の言葉」があれば良いのですが、
そのようなものがないのが現状です。

お子さん一人ひとり、
価値観や物事の捉え方が異なります。

そのため、この言葉がお子さんに伝わりやすい
というのも中々難しく、
ここが「この言葉は効果がある」という
定型がない理由なのです。

例えば、お手伝いをした事に対して
「ありがとう、とても助かった」
という感謝の言葉が響くお子さんもいれば
「お手伝いができるくらい
お兄さん(お姉さん)になったんだね」
と自分の成長を認められる言葉が嬉しい
お子さんもいます。

お子さんそれぞれの感じ方にあった言葉を
選ぶことが、大切になってくるのです。

では魔法の言葉がない中でも、
お互いに気持ちがいい会話は
生まれるでしょうか?

これからお伝えする
“二つの会話”を
比べてみてください。

(A) ­­­­­­­­
お子さん
↓↓
「運動会で2位だった」

親御さん
↓↓
「(あなたは)頑張ったのね」

(B) ­­­­­­­­
お子さん
↓↓
「運動会で2位だった」

親御さん
↓↓
「お母さんはよく頑張ったと思うよ」

どちらも、お子さんが
運動会で2位だったことに
「頑張ったね」という気持ちを
伝えている点は同じです。

しかし、少しお子さんの感じ方が
異なると思いませんか?

(A) の場合は…
「あなたは頑張った」という
決めつけのような印象を
感じるかもしれません。

お子さんによっては
「別に頑張っていないし」と
親御さんの言葉を
否定することもあります。

せっかく良い雰囲気の会話なのに、
否定や拒否をされてしまうのは
残念ですし、後味も悪いですね。

対して(B)の場合は…
「頑張ったね」という
気持ちを伝えているものの、
押し付けではなく、一つの意見として
気持ちを伝えています。

聴いているお子さんとしても、
決めつけられたという印象ではなく、
意見を述べられたというニュアンスの為、
言葉を受け止めやすくなります。

(A) の場合は…
「あなた」を主語とした
「YOUメッセージ」です。

(B) の場合は…
「わたし」を主語とした
「Iメッセージ」なのです。

「あなた」を主語とした
話し方だと、会話の受け手は
「自分を責められている」
「詰問されている」という
印象を抱きやすいのです。

このような会話が続くと、
ぎすぎすとした関係性になりそうですね。

しかし、「わたし」を主語として
「Iメッセージ」で話しかけると、
受け手のみに焦点が当たらない会話となり、
お互いに寄り添った雰囲気が作られていきます。

お互いが話をしやすい、
聴き入れやすい印象となり
自然と会話ができる
関係性が生まれてくるのです。

このIメッセージを効果的に使って
親子の会話を豊かにしていったご家族を紹介します。

小学校5年生のAさんは、中学受験をするか悩んでいました。
Aさんのお姉さんも中学受験をして
中高一貫校に進学したこともあり、
Aさんは
「お姉ちゃんが受験しているし、私もしたほうがいいのかな?」
と考えていたそうです。

お姉さんの文化祭に興味を持ったり、
Aさんから「塾に通いたい」という言葉があったことから、
親御さんは、
Aさんがとても積極的に受験をしたいのだと感じました。

そこで
「あなたが合格するためには、もっと勉強が必要だね」
「塾に行くなら、他の習い事早めないといけないな」
など、Aさんの希望を叶えるために様々なアドバイスをしました。

この言葉がAさんにどのように聞こえたかというと
「受験に合格するために必要な勉強が、私には足りていない」
「習い事をやめないと、塾には行けないし合格もできない」
「それくらい本気でやらないと合格できないと、
お父さんお母さんは思っているんだ」
こんな風に感じられたそうです。

ご家族としては、事実を述べたつもりでしたが、
Aさんにとっては自分の力や努力が足りていないと
否定された気持ちになったそうです。
この時のAさんの顔色や様子から、
お父さんお母さんはご自身の言葉がけを振り返り

「お父さんとしては、
これくらい勉強すると合格にもっと近づく気がするな」

「お母さんから見て、
あなたは十分頑張っているように感じられるよ。
でも、習い事も今まで通りにしていると、
疲れてしまうんじゃないかって心配になったの」

と、ご自身を主語としたIメッセージで伝える努力をしました。

するとAさんも、自分を否定された感覚から、
お父さんお母さんの言葉を「一つの意見」
として聴き入れていきました。

皆さまも、お子さんが自分の気持ちや
思いを話し始めた際、
その言葉を受け止める姿勢で
傾聴しながら「Iメッセージ」で
お気持ちを伝えてみませんか?

今回のお話はいかがでしたでしょうか。

次回は、
会話の中から感じた思いや
思考の幅を広げていく
「リフレーミング」について
お伝えいたします。

今回もお付き合いいただき、
ありがとうございました。

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